ウイリアム・P・ブルックス博士の顕彰碑前にて

2022.10.20

 
 
 札幌村郷土記念館の前庭に、最近、一つの新しい記念碑が立てられました。
   札幌市東区は、すでに我が国のタマネギ栽培の発祥の地として有名です。しかし、札幌特産のタマネギ「札幌黄」の原種を、いつ、だれがもたらしたのか、長い間はっきりしていなかったのですが、保存会の皆様の近年の努力のおかげで、それが札幌農学校教授、ウイリアム・ペン・ブルックスの功績であることが確認されたのです。
 
   1877年(明治10年)にアメリカ人ブルックスは札幌農学校に着任、明治15年ころにタマネギ栽培を実地指導したということ。その時にアメリカから「イエロー・グローブ・ダンパー」という品種を取り寄せて試作を重ね、後に「札幌黄」という優良品種になったということです。
 
 札幌村郷土記念館は、28年前の私が大友亀太郎と出会って衝撃を受け、東区のまちづくりに自分もささやかでも貢献したいという思いを新たにした特別な場所なのですが、そこにまた新しい歴史的記念碑、ウイリアム・P・ブルックス博士の顕彰碑が加わったことを大変嬉しく思います。
  
 私が会長を務める札幌市調理師団体連合会の年間行事の一つとして「地産地消健康料理フェステバル」を開催しておりますが、東区産のタマネギほどその食材としてふさわしいものはないはずです。タマネギには硫化アリルという血液内の血小板の凝固作用を抑制し、血栓をできにくくする成分があり、硫化プロピルという成分は血糖値を下げ糖尿病予防効果があり、さらにケルセチンという成分は体内の脂肪を排出してくれる効果があるということです。第27回目の2018年には「札幌黄」を使った料理を提供して喜んでいただきました。